さよならPhotoshop
始めたばかりのブログで「さよなら」から始まる記事を書くのもなんですが、平成とともに…という感じでしょうか、タイミング的に重なってしまっただけでして。
パソコンを初めて買ったのは1997年…もうだいぶ古い話ですね(笑)。当時まだ八千代台にラオックスがあって、その2階に展示してあったApple Macintosh エントリーモデルの「パフォーマ」というやつの最終モデル(確か1996年製)。Apple社製のモニタとセットでなかなかいいお値段でした。
当時は「絵をやるならMacでしょ!」という感じが強かったのと、事務所に一人すでに熱心なMac信者な先輩がいて、勧められるがままに入信したのでした(笑)。それから、かれこれもう20年以上。。。
今はスマホでさえ、写真1枚のデータも大きいですが、20年前の僕の初デジカメ(オリンパスの確かC-900だったっけ? そう…これこれ。)
これ(↑)は、まだスペックも低く130万画素程度。これはこれで当時はカッコ良かったですが、まだまだおもちゃっぽくて仕事の資料写真をしっかり撮れるレベルになるまでは、もう少し時間はかかったように思います。
現在の散歩用デジカメ(↓)CANON IXY 120
4〜5年前のモデルだと思いますが、それでも1600万画素。正直、もう画素数は高すぎても(一般的なユーザーには)あまり意味がない気がします。
Photoshopに関しては写真加工・修正・補正等よりも、仕事柄「絵を描くツール」として知ったのが最初でした。これも多分、先輩信者の影響だったかと。。。(笑) Mac版のPhotoshopはバージョンいくつから使い始めたんだっけなぁ。確か「ver.5」くらいからだったと思うんですが…(検索)
あ、そうそう。懐かしい。…ただ、遊びで使うには高額すぎるソフトでした(笑)。当時の立原プロの漫画の制作に(現在もさほど変わりませんが)パソコンの必要性はそんなに無く、導入自体、遅かったかなと思います。フィルムカメラ激減とデジカメの台頭で、資料写真のプリント・保管に、やっと使わざるを得なくなってきた辺り…?からでしょうか。導入後のパソコン作業では、直接原稿に関わるところでは、コピーフィルムを使ったオリジナルトーンを作ったりが主で、僕は一時期カラー原稿の色つけを(一部)Photoshopでさせてもらっていましたが、今にして思えば立原あゆみの作品にはデジタルな色は必要なかったのでは?…と思うことも。
上記のように、僕にはPhotoshopを使う理由がそこそこ出できていたので、その後度重なるバージョンアップに翻弄されつつも(笑)使い続けました。でも結局、その機能・性能を使い切ることもなくバージョンばかり上がっていくので、CS5 でストップしました。
MacOSのHigh Sierra まではダマシダマシ使ってこれましたが、自宅のMacを現行OSMojave にアップデートした際には、一応使えはするものの、終了すると必ずクラッシュのダイアログが出るようになってしまいました。
もう対応してないのは分かっていましたが(笑)さすがに気持ち悪いので、最新のPhotoshopCC にバージョン上げようかと何度か思ってみるものの、今となっては実はそんなに必須でもなくなってきてて…。
一方、事務所のiMacは少々古いモデルなのでOSはSierraで止めてあり、PhotoshopCS5も不具合は出ないので、ひとまずこれはこれで良しとして、自宅のMacは漫画の仕事で使うこともこの先あまりないと考えると…CCにバージョンアップした場合、たとえ料金体系が変わって月額最安で980円から使えるとしても、ちょっとムダな出費に思えてきて…。
それならいっそ、代替ソフトを検討すべきでは?…と。
これまで、高額なバージョンアップを呑んできたのも、Photoshopにしかない(しかも廉価版のエレメンツにもない)機能のせい。
出版業界ではデフォルトのCMYK のデータが扱える(作れる)唯一無二と言っていいくらいの存在で、それは今も変わらないと思いますが、こちらにその必要がもうなければ縛られる理由もないわけで。
そもそも、RGBだろうとCMYKだろうと、変換するのは出版社or印刷所に任せても良かったのでは?…いや、でも変換すると色味ちょっと変わっちゃうんですよね、そこ投げちゃうと少々無責任かも…みたいな葛藤もこの先はないのだから。
Photoshopの代替ソフトとして有名なのは「GIMP(ギンプ)」ですね。
実はこれまで何度かチャレンジしてみたことはあったのですが、Photoshopに慣れすぎてしまったせいか、GIMPのクセが強いせいか…? 恥ずかしながら、まったく馴染めなかったのです。他に列挙されるソフトたちも一長一短で、機能面ではGIMPは(CMYKを扱えない以外は)やはりアタマひとつ出ている感じでした。そんなこともあり、なかなかPhotoshopを手放せなかったのでした。
フリーソフトでCMYKを扱えるものを探し、最近見つけたのが「Fire Alpaca(ファイア アルパカ)」という漫画用のソフト。
まだちゃんと使ってはいないのですが、一応、既存のCMYKデータを読み込み・書き出すくらいは問題なくできて、画像の変化も見られないので、とりあえずデータのやり取りには使えそう。
起動すると広告が出るあたり、フリーソフトですね(笑)。ただ、なんでアルパカなのか?…
CMYK問題は一応これで良し。そう思って再度GIMPをインストール。バージョン2.10。
バージョンアップしてまだ日が浅いのか、メニューなどは部分的にまだ日本語化が不完全な個所もあり、ネットでチュートリアルを探しては日々勉強(笑)。せっかくなので、このサイトで扱う画像は、ほぼGIMPを使って処理するようにしています。…おかげで少しずつですが、GIMPのクセとか扱い方が分かってきました。ただ、たまに僕の方のクセが出て、Photoshopのショートカットをしてしまって焦ります(笑)。使いづらいな、と思っていたGIMPも視点を変えて“新しいことを始めた”と考えれば、楽しい方が強くなってくる?…。
このままGIMPに慣れてしまえば、確かにPhotoshopの代替として使えそうです。薦める人たちが多いのも(最近やっと)頷けます。…ちゃんとマスター出来たら事務所のMacもGIMPにしちゃおっかな。強いて難点を挙げるとすると、GIMPで作ったファイル(拡張子 .xcf)のプレビューが見れない(GIMP起動中にファイルを開く際には見れるんですが)…って、ことくらいでしょうか。
業界も今となっては漫画を描く専用ソフトもあるし、現場はデータ入稿が当たり前。“紙の原稿”を使ってる人も随分少ないそうで。だからメールに添付で顔も合わさずに仕事が終わる(こともできる)。それも善し悪しでしょうけど、鈍い僕でさえ時の流れを感じてしまいます。…先ほど触れたオリジナルトーンも、今ではそのコピー用フィルムが(おそらく製造中止なのか)手に入らなくなり、事務所にストックが少し残ってるような状態で… そういう隙間を埋めていたようなモノも淘汰されるんですね。
来週には新元号。 ありがとう平成! そして、さよならPhotoshop。
…と、Photoshopは卒業となりそうですが、実際のところPDFファイルを開くには「Leader」がやっぱり便利だし、jpegなんかをまとめてPDF化するため(仕事で)地味に活用してる「Bridge」など、Adobeの他のソフトには、まだお世話になりそうです。。。