腹腔鏡下胆のう摘出術

病気の『レベル』なんて言い方はよくないけど「胆のうポリープ」は、そういった意味では高いほうじゃないかもしれない。手術も比較的難しくないそうで、特に僕の場合は、緊急性・重篤度とも無いに等しく…。

とはいえ、初めてづくしの今回の手術。前日説明を受けた「万が一の事態」は、やっぱりどこかで引っ掛かってるワケで。。。

(前回「胆のうポリープ?…(汗)」からの続きです。)

全身麻酔

これも初めての体験で、今まで麻酔なんて「親知らず」抜いた時の部分麻酔くらいしか記憶がない。

こちらも麻酔医の先生から事前に説明は受けました。

手術室に入ってすぐ、ベッドに横になって酸素マスクを充てがわれ、点滴から麻酔薬を入れ始め…麻酔医の「徐々に意識が遠くなりますよ」と言ったであろう「徐々に いし…」くらいで落ちたように思う(笑)。

寝入る前の、ウトウトも無い。

手術は腹腔鏡下胆のう摘出術という術式。

お腹の数カ所に穴を開けて、そこから内視鏡やら突っ込んで…というもので、開腹手術よりはるかに負担が少ない。万が一の状況によっては開腹に切り替える場合もあり得るとの説明も受けてたのだけど、目覚めるまでは分かるはずもなく。。。

…手術は無事終わり、意識が戻ったとき午後4時と聞かされたような?…意識が混濁してるのかよく分からない感じだった。

前もって渡されていたプリントのせん妄の説明にあったような、ひどい症状にはならなかったけど、何か話そうとして声が出しづらくロレツが上手く回ってない感じはあった。

術後は元の部屋ではなく、ナースステーションの隣の部屋に移動になります、と事前に聞かされていたけど、正直そこがどこなのか、頭が回らずボーッとしてる。。。

似てる感覚といえば、学生のとき柔道部の練習で、絞め技の上手い先輩に落とされて意識が戻った時がこんな感じだったかな?… その瞬間、自分がどこにいて何をしてたのか分からなくなる…おまけに天井回ってる…みたいな。ただ、柔道のそれは意識の回復もすぐだけど、この術後のボーッというのはしばらく続いた(ような気がする)。

そこからの1日半という時間は、とてつもなくしんどいものに…(汗)。

胃管チューブは手術後、目覚める前に抜いてもらえたのだけど、点滴のほか心電図モニターのコードや尿道カテーテル、右脇腹の穴からドレーンの管がのびてハガキ大のビニールパックがぶら下がってたりと、体のあちこちがなに何かと繋がってるし、エコノミー症候群予防のため、足にはふくらはぎをマッサージする「フットポンプ」なる器具が巻かれ、絶えずウネウネ動いてる。体を動かしたくても、動くに動けない状態というのは恐怖だなと。。。

そのあと、ベッドから起き上がるのはダメだけど、ベッドの上で横向きになったりは出来ますよ、と言われるも痛すぎてなかなか思うように動けず…

ベッドの上で上半身を起こすのも寝るのも、お腹に力が入るときが痛い。もう、どこが痛いのかよく分からないけど痛い(笑)。

しかも翌日まで水も飲んではいけない。空調のせいか、やたらと口の中が乾くので時折「吸い飲み」をお願いして水を少し含んでブクブクうがいのみ。

この、翌朝までの時間が一番しんどかった。

術後1日。

もう時間の感覚もよく分からなくなってたんだけど(笑)たぶん午前中、回診のとき心電図モニターと足のフットポンプを外してもらい、そのとき尿道カテーテルも抜かれる。一瞬、痛い。紙パンツから自前のパンツに履き替えさせてもらう。パンツも自分で上げられない。。。(恥)

続いて、レントゲンや採血など。 ひと通り済んだあと、やっと「水分摂っていいですよ」と。

時間とともに、それでもなんとか少しずつ動けるようになり(たぶん午後になって)元の病室に戻るコトに。無理せずベッドで移動しますか?と言われたのだけど、せっかくなので(直線50mくらいかな?)歩いて移動。

動くと確かに痛いけど、もう横になってるのがホント辛くて(笑)ちょっとでも体を動かしたくて。。。ゆっくり、恐る恐る…

部屋に戻ったあとは、やっぱりベッドで横になるしかないのだけど、この日はまだ食事は出ないものの、水なりお茶なりは自由に飲めるようになったので、頑張ってロビーの自販機まで歩く(笑)。

胆のうを取ってしまったダメージもあるのかもだけど…外傷としては、ほんの4箇所(1.5cm程度の)穴を開けて塞いだだけのキズなのに、こんなにも歩くのが大変になってしまうのね…(汗)。  

術後2日。

この朝からやっと食事がでるのだけど、ずっと点滴をしてるせいかあまり食欲が湧く感じではなかった。

最初の食事は超消化に良さそうな三分粥。ほとんど糊状のゆる〜いお粥。こんなのたぶん初めて口にするくらいの感じだけど、例えるなら障子紙キレイに貼れそうなくらいの糊感(笑)。それと、これまた離乳食みたいな薄味のおかずが数点。

牛乳を久しぶりに美味いと感じた(笑)。

前日からすでに行動の制限もなく、院内であれば自由に歩いていいと言われてたのだけど、どうにも痛くてトイレか自販機に行くのが精一杯。。。

ちなみにこれが昼・夜の食事。…と併用の点滴(笑)。

この日の夜が最後の点滴でした。最初の日は地味にずっと痛かったけど、点滴の管も身体の一部になってしまったのか、ここまでくると違和感もない。4日間で何本打ったんだろ?…  途中、痛み止めも点滴で何回かもらったし。。

術後3日。

食事は三分粥から全粥に。食感のある普通のお粥。

相変わらず体に優しい内容だけど、なんにせよ噛みしめて食べられるありがたさw。

食後の回診で、やっと点滴の針を抜いてもらう。しっかりゴツい針が入ってると思ってたから、さぞ痛いだろうと思ったのだけど、固定してるテープを剥がす感覚だけで終わった。

手術の縫ったキズの痛みも一段落。寝起きするときはやっぱり痛むけど、普通にしてれば痛みはないくらいまで回復。基本、回診時に部屋にいればイイ状態なのだけど、外出するわけにもいかず、院内をフラついても仕方ないので、エレベーターで屋上へ。

あの辺が前に住んでた辺りかな?…とか。

花見川を見下ろせるかと思ったのだけど、どうも無理みたい。

それにしても、アタマがかゆい。。。

術後4日。

シャワーも洗髪だけなら大丈夫とOKをもらい、朝から共同洗面所にあるシャワーでシャンプー。シャンプーは地下1階の自販機で売ってた。

生き返るぅっ

この日から食事が普通のご飯に。

体の回復も著しく、少しずつ動けるようになり、寝起きの痛みも軽減されてきた。

午前中の回診時、やっと右脇腹からのびてたドレーンの管が抜かれた。抜いた直後、パチンと小さな刺激があった。仰向けに寝てたので見えなかったけど、医療用ホチキスというヤツかな?…

このまま問題なければ明日にでも退院出来ると言われ、一安心。。。

術後5日。

午前中の回診で、午後にでも退院してもいいと言われる。

後半の2日ほどは、なんだか気持ちも少しのんびりと過ごせた気がしてたので、長かったのか短かったのか、よくわからない(笑)。

…ただ、手術直後のしんどさはハンパなかったなぁ…(汗)。

身支度をして、忘れ物がないか振り返る…。

会計を済ませて外に出ると、ちょうど送迎バスが出るところだったので乗ったのはいいのだけど、荷物をごっそり会計のカウンター脇に忘れたのに気付いて取りに戻る(笑)。走れない。早歩き程度でもまだあちこち痛い。。。

退院後。

正直、1週間も入院してたんだから、さぞかし体重も落ちただろうなと、つまらない期待をしてたりしたのだけど、結果的にマイナス1.5Kg程度。もっと減ってても良さそうなもんだよなぁ。。。

点滴ってカロリー高いのかな?… 食止め中もお腹減らなかったし。→ これは高カロリーのものやそうでないものまで、ケースにあわせていろいろあるみたいです。

退院して1週間後、術後の経過と切除したポリープの説明等で受診。

傷の回復具合も良好とのこと。医療ホチキスの抜鉤(針を抜くこと)は必要なく、体内に吸収されるタイプなのだとか。

ポリープ自体もコレステロール性の「良性」だったとのこと。

良性のポリープを取る必要があったのか?…みたいな話になると、異論のある方もおられるかもですが、これは取って調べてみないことには、CTやエコーでは分からないそうで。

仮にこのまま切らずに放っておいて、数年後さらに大きくなった状態で万が一悪性化したら目も当てられない(汗)。

悪化しないかもしれないけど、出来てしまったポリープは無くならないのだから「切除する」というのがやっぱり正解でいいと思う。

今回、いろいろ初めてが多かったですが、やっぱり医療従事者の方々には頭下がります。

ホント大変な仕事だと思った。。。

再検査からこの1年ほど、体重落としたりいろいろ体に気ぃ遣って過ごしてたのだけど、やっぱりポリープが出来てたことに関しては「一足遅かった」感は否めない。

…というか、再検査になるくらいの状態になってなければ見つからなかった…っていう、逆の見方も出来るけど。。。

取りも直さず運動不足に体重増加…故のコレステロールの癒着。全くもって生活習慣病。尿路結石も原因は同じようなものだろうし…。

生活習慣なのだから、自分でコントロール出来ないでどうする?…

何は無くとも「健康」だよな と、思う53歳なのでした。。。

@atorie_fake

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